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設立趣旨書

  • 2011年3月23日 10:18 AM
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黄砂は国境を超える環境問題です。黄砂は黄河上流域、内モンゴル地域における砂漠の砂が偏西風にのって北京、大連、韓国、そして日本に飛来する大規模環境問題です。発生源から近くの中国・韓国では、様々な産業への影響があります。中国の黄砂は、近年異常気象によって砂漠地帯に発生した猛烈な砂嵐なのです。

空港の閉鎖、道路交通の麻痺、鉄道線路の風砂による埋没及び列車の脱線等の交通関係への影響を与えます。精密機械・大型プラント・精密デバイスなど近代的産業の多くが、塵埃を最も嫌います。黄砂は、既に世界の工場となった中国産業発展に大きな影となっているのです。内モンゴルに多く居住する遊牧民は、大地(コモンズ:共有地)の草地に羊を放牧しますが、砂漠化によって、経済的基盤を大幅に失い、時には家畜の死亡に繋がることもあります。黄砂の侵入によりかけがえの無い作物が一夜にして黄砂に埋まり、農業生活者は大部分の収穫を失います。強風による果実の落下、播種・表土の飛散、家畜の死亡等、農業・畜産業への影響は、もはや社会的な問題です。都市生活においても、台風並みの黄砂嵐により、交通インフラの停止だけでなく、近代化を果したかに見える都市部マンション等では、黄砂対策・省エネとしての機密性によって新たな住環境問題・シックハウスが表面化しつつあります。社会的にも強風を伴う砂塵による家屋・電柱等の倒壊、通信網切断などのインフラ遮断に加え、飛来地住民の呼吸器系を中心とした健康問題が、新たな社会的問題になりつつあるのです。黄砂の膨大な影響は、中国科技院の報告で、年間7000億円にも及ぶと言われています。

一方、発生源から遠い日本においても、視程の悪化による飛行機の運行障害や、自動車や洗濯物への黄砂粒子の付着などの影響だけでなく、自然環境、健康被害や大気汚染に及ぶ可能性が指摘されています。更に黄砂は発生源地域周辺だけでなく、大気中浮遊することで、黄砂粒子を核とした雲の発生、降水過程を通して地球全体の気候変動に影響を及ぼしていると言われます。以上述べたように、現在、黄砂は飛来する広範囲の環境・社会・経済・健康被害はもちろんですが、異常気象と関連する地球レベルの大きな問題でもあるのです。

黄砂を「持続可能な緑地開発」とするには、単なる植林では実現しません。現地にあった黄砂の飛散防止・灌漑対策・囲い込み・代替エネルギー・そして持続可能な緑地としての管理など、総合的な視点による継続的な活動が必要です。「持続可能な緑地開発」は、本来その土地や気候にあった植生を、出来るだけ化学肥料や農薬を使用しないで定着させ、実現するもので、21世紀の「農業・緑化革命」そのものであります。そのためには、国境を越えて幅広く新しい黄砂技術を持つ人材の結集が必要です。その新しい連携をつくり具体的対策を実現することが、私たちの事業です。

法人設立メンバーには、内モンゴルの黄砂の中で暮らし、様々な体験や実感を持っているものもおり、実体験として黄砂問題を捉え、住民の目で対策を考えることが出来ます。生活者とのネットワークも持っています。この課題こそ自分が行うべき課題であると強く認識しています。

黄砂や砂漠化防止対策として、関係地域居住者や政府・研究機関のご協力はもちろんのこと、日本企業などにある適用可能な最適技術を用いることで、地域にあった計画策定し、実現させることです。現地の力と日本の技術力が協働します。そういう「持続可能な黄砂対策、緑化事業」を実施するのが、私たち(社)国際黄砂対策センター(International yellow sand provision center : IYPC )です。

私達は、継続的で確実な対策を実施し「持続可能な緑化開発」を実現します。従来の黄砂研究機関や多くの方の知恵や経験を結集し、具体的ニーズを現地中国の視線で捉え、日本の技術力を生かし効果ある具体的対策を積み重ねていきます。黄砂被害の大きい大都市の防砂のための拡大な植林ベルトや土壌流出を防ぐ対策、さらに住環境改善を実行します。
それが、日中の学識経験者、研究者、技術者、技術をもつ組織や企業や地域住民を結集し、更に中国政府や地域の方と一緒に活動する黄砂対策プラットフォームとしての(社)国際黄砂対策センター(IYPC)の役割が必要であると考えています。

(社)国際黄砂対策センター(IYPC)は、営利を目的とする団体ではありません。
私達の活動は国際的であるとともに、地域の方々の生活確保への限りない貢献でなくてはいけないものであり、この成果は社会貢献を目的とした長期にわたる継続的事業によってのみ得られるものと思っております。それが、国境を超える困難な黄砂環境保全活動による国際貢献を目的とした非営利活動法人を設立する趣旨であります。
私たちは(社)国際黄砂対策センター(IYPC)を立ち上げ、持続可能な社会の創造と次世代の子供たちのための黄砂対策による環境保全で国際貢献します。この趣旨に賛同される皆様の大いなるご協力を宜しくお願い申し上げます。

2011年 2月

社団法人 国際黄砂対策センター(IYPC)
理事長 加藤 尚彦

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